あなた、本当にそれが欲しいの?

 

 

「仕事にしばられない生き方」ヤマザキマリ

 

前から大好きな漫画家さん。

 

テルマエロマエが有名で映画化もされました。

 

私は正直、漫画は読んだことがありません。

 

その代わり、エッセイは何冊か読ませていただいています。

 

何冊読んでもヤマザキマリさんの人生は本当に目が開くほど波乱万丈。

 

お母さんのお話も面白いけど、イタリアで過ごした詩人とのお話もこれでもかと事件連発です。

 

ヤマザキマリさんはイタリア、シリア、ポルトガルアメリカ、日本といろんなところで住んでいたそうです。

 

そんなヤマザキマリさんのお金の価値観が知りたくて、今回こちらを読みました。

 

タイトルの「あなた、本当にそれが欲しいの?」とはマリさんがお母さんに小さいときから言われていた言葉のようです。

 

流行しているひらひらのスカートを欲しがった時も「流行ってるものが、あなたに似合うとは限らない。」と言われたり、ヒミツのアッコちゃんのコンパクトを見に行った時も「作りが安っぽいから原価はこのぐらいだ」「そんなので変身はできない」「すぐに飽きるわよ」と言われたそうです。

 

最近子どもたちも、自分のお金で自分の欲しいものを買うことが増えました。

 

親が買っているときは、買ってあげてもすぐに飽きてあんなに欲しがったのにと、腹立たしい思いをしたことが何度もあります。

 

自分のお小遣いで買うようになったら少しは大切にするかと思ってんですが、まったく一緒でした。

 

今度は自分でお金を稼ぐようになったらわかるだろうと思いましたが、私は考え直しました。

 

きっとこの感じ、変わらないだろうなと。

 

私も若いときは、せっかく自分の稼いだお金で服を買い、値札が付いたまま着なかった服を処分したことは数知れず。

 

買うときはめちゃくちゃほしかったのに、買った瞬間がピークで家に帰るころにはとっくに興奮が冷めてる。

 

そして、今度こそとまた買いに出かけてしまう。

 

私は冬のコートが好きで、一時期20着以上ありました。けど車でイオンに行くとさほど寒くないので、車にコートを置いたまま、またコートを買ってきてしまう。

 

この矛盾に気が付いてからコートを見直しました。

 

車移動が多いので丈は短いもの、さらに私は暑がりなので薄めのもの、そして軽くて身幅や脇周りにゆとりのあるものが私に適してるコートだと。

 

それ以外は処分かメルカリへ。

 

それからは真冬にディズニーランドに行くときに、ロングの厚めのコートを買って以来コートは購入していません。

 

大量に消費しないと、無駄には気づけないのかもしれません。

 

きっと子どもたちも今その過程のほんの入り口にいてるのかなと思います。

 

 

働いて、働いて、でもそれはいったい何のためなのかもわからなくなっても、働き続ける、そんな生き方の先に、幸せがあるだなんて、とうてい思えません。

 

知性や教養=お金という強迫観念が結びつき、ふるいにかけられ、生産性のあるなしで人間性が分かれてしまう。

 

競争社会を生き延びたものだけが幸せになれる権利がある。だからもっと頑張れ、もっと働け。

 

本人の意思とか頑張りでは、どうにもならないことがあるのが生きていくということです。

 

ヤマザキマリさんは、欲望や孤独がもたらす深い闇を、持てる叡智を総動員して考え抜くことで御してきたことを古代ローマ人から学んだとおっしゃってます。

 

今一度、本当にそれがほしいのか。そしてもっともっと働く必要があるのか。

 

子どもの買い物の時に、後ろから「本当にそれが欲しいの?」と聞いてみます。

 

嫌がられるだろうな(笑)