君臨すれども統治せず

昭和天皇物語」能條純一

 

最近、再び昭和史にハマっています。

 

半藤一利先生の「昭和史」4部作「戦前・戦後・B面・世界史」を一通り読んでますが、一読しただけでは理解しきれなかったことも多かったので、また戦前から読み直しています。

 

今度は、地図帳を開いたり、ウィキペディアで人物検索をしたりしながら、深くゆっくり読んでいます。

 

その中で、前から気になっていた漫画「昭和天皇物語」

 

これは半藤一利先生の「昭和史」を漫画化したものなので本作と併用しながら読むと非常にわかりやすく面白いです。

 

特に昭和天皇からの目線で書かれており、政治や軍の暴走が日々変化していく中、天皇はどんなことを考えていたのか分かりやすくなっています。

 

 

今のところ9巻まで出ていますが、9巻で満州事変、5.15事件手前です。

 

何巻まで行くの???と思いながらも、10巻が出るのを心待ちにしています。

 

私がとても気になるワードは「君臨すれども統治せず」

 

天皇大元帥として軍のトップにありながら、決定権がなく、議会で決まったものには天皇の意思に関係なく採決するというシステムになっていたことが不思議でなりません。

 

張作霖爆殺事件の時、昭和天皇が田中儀一首相の事件への対応に不満を持ち、進退について発言したことが憲法違反だと大問題になり、以後「君臨すれども統治せず」となったことは理解しましたが、では誰が決めて誰が指示し、だれが責任を持つの?と疑問に思いました。

 

張作霖爆殺事件から満州事変、上海事変など軍の暴走に厳しい罰も与えず、政府も追認、天皇の決裁、軍の首謀者たちは喜ぶ。この負のルーティンが繰り返されているように感じました。

 

言い換えれば、勢いのある、威勢のいい雰囲気に流されていく。

 

そして、メディアにより国民はあおられ、熱狂し、より威勢のいい空気を作り、その熱気を抑えることもできず、戦争に流れていく。

 

戦中の「一億総玉砕」から「一億総懴悔」と言われたらしいです。

 

みんなで始めた戦争だから、みんなで反省しようね。

 

う~ん。。。。

 

納得いかないし、すごく怖いなと思いました。責任の所在が不明なまま、自分の運命を自分でコントロールできなくなる。

 

最近、NHKでも「昭和天皇が語る開戦への道」も面白かったです。

 

まだ公表されていない資料が公表され、わからなかったことがどんどん解明されていくことは今後の日本にとってもすごくプラスになると思います。

 

昭和史の勉強、続けていきます。