開国・富国・強兵

明治維新とはなんだったのかー世界史から考える」半藤一利出口治明

 

幕末は結構人気というか好きな人が多いイメージがありますが、私はあまり興味を持たずに来ました。

 

しかし、太平洋戦争の勉強をしているとやはりペリー来航からの幕末について知りたいと思うようになり本書を手に取りました。

 

初めて読んだとき、読みやすいけどなんせ知識がないのでよくわからず。。。

 

なので半藤一利先生の「幕末史」と「もう一つの幕末史」をよんで、こちらを再読。

 

お二人の幕末に登場した人物に対する評価が痛烈で大変面白かったです。

 

幕末といえば、坂本龍馬西郷隆盛などが人気ですがお二人の評価はイマイチ。。。

 

私は幕末の知識やイメージが全くなく、半藤先生の著書から入ったので、反薩長史観がだいぶしみ込んでいたのですんなり入ってきました(笑)

 

明治維新は確かにすごい革命でした。

 

ペリー来航以来、「攘夷」と「開国」で幕府、朝廷、薩長が複雑に絡み合い、「攘夷」が薩長の「倒幕」にすり替わり、鳥羽伏見の戦いから大政奉還、そして戊辰戦争西南戦争

 

「開国」「富国」「強兵」

 

これはペリー来航時に老中だった阿部正弘が描いたグランドデザインでした。

 

国内には資源がないのですから、国を開いて海外から輸入するしかありません。「開国」そして交易をおこない、産業革命を起こして経済的に豊かになる。「富国」富国がうまくいけば、軍隊を養う余裕ができる。「強兵」

 

「開国」なしに「富国」はかなわず、「富国」なしに「強兵」はあり得ません。

 

太平洋戦争は、「開国」を捨て攘夷の精神に取りつかれ、その結果アメリカに石油を止められ備蓄が底をつき「富国」がかなわないのに「強兵」に突っ走りました。

 

戦後は、吉田茂首相が「強兵」をアメリカに委ね、「開国」と「富国」で日本を立て直しました。

 

世界のリアリズムを見失うと、危険なナショナリズムに陥りやすくなる。

 

これは今回の本のまとめに書かれてあることだったのですが、すごく腹落ちしました。

 

腹落ちしたけど、じゃあ今後日本はどうするべきか。

 

半藤先生も「富国」と「強兵」はとてもバランスの難しい課題だとおっしゃっていました。

 

戦争は外交の最終手段だという言葉があります。やはり外交を大切にするには「開国」の精神で世界を広く知ろうとする。

 

出口先生の本で「タテ・ヨコ・数字」で物事をとらえるとよくおっしゃています。

 

うーん。。。難しいなあ。。。

 

幕末から今後の日本を考えさせられることになりました。

 

選挙も近いし、政治を考えるいい機会になりました。

 

これからも歴史の勉強続けます。